企画展 郷土の画家白石隆一画伯          (令和5年10月1日〜12月27日まで)

 千厩出身の画家である白石隆一画伯の油彩画4点と水彩画1点を展示します。

 作品は当ホームページで紹介しています

  1 油彩画 「鮎」  F6号   (気品が漂う画面)

  2 油彩画「三陸の魚」F8号   (ありえない細密描写)

  3 油彩画「一関風景」F8号   (昭和30年代の一関の街並み)

  4 水彩画「魚」   色紙    (モダンな魚の造形)

のほかに

  5 油彩画「壺と小魚」F20号 (圧倒的な壺の描写力による存在感)

を加えました。

 何も申しません。十分ご堪能いただけるものと思います。

企画展  不気味な鳥をテーマにした木版画      (令和5年4月1日〜6月30日まで)

 今から約30年前、青森市の閉店間際の画廊で、この木版画5枚を購入しました。本来は10枚セットか12枚セットのものが、バラ売りしたために売れ残っていたものでした。当然です。こんな気持ちの悪い作品(?)を買う人はいないでしょう。ですが、館長好みの作品でしたので、残り全てを購入しました。全てサインはあるものの、小作青史氏(写真上左端)以外わかりません。お分かりの方は当美術館までお知らせいただければ幸いです。

 なお、写真下左端は青森市の別の画廊で購入した函館市在住の奥田早苗氏の「コタンクルカムイの夜」2枚セットです。

 いずれも購入後一度も展示しないで眠らせていた作品です。作家さんには心からお詫び申し上げます。

特別展示  収蔵作品・橋本花の油彩画「風景」

 今回、橋本花の当美術館収蔵作品2点目の油彩画「風景」(M10号)を特別展示します。

 橋本花は、1905年青森市に生まれ、1983年78歳で逝去されました。

 1925年帝展に初入選(32年特選、33年無鑑査)、1929年橋本八百二と結婚、1939年文展無鑑査、1958年日展委嘱(59年、64年)、1963年創元会会員(運営委員)が主な経歴等です。

 岩手県立美術館でその収蔵作品を見てすっかり虜になり、当美術館でも館長が気に入った作品2展を収蔵しました。現在はやや忘れられた画家の様相ですが、必ずや再評価の時が来るものと信じています。

 今回の作品はバルビゾン派の雰囲気を感じさせますが、そういえば夫の橋本八百二が設立した橋本美術館(盛岡市岩山所在、現在閉館)にもバルビゾン派の絵画が数多く展示されていました。それと関係があるかどうかわかりませんが、橋本花の本質は風景画家であると推測しています。

 この作品もいくら見ても見飽きることがありません。どうぞご覧ください。

当美術館が橋本花の作品を収蔵した最初の油彩画「秋色」(F6号)です。

企画展  齋藤 繁水彩画展 第2弾         (令和4年2月1日〜7月30日)

 当美術館が所有する齋藤繁氏の水彩画100点のうちの23点を今回展示します。

 今後、毎年、年に1回は常設展示と共に齋藤繁水彩画展を開催していきたいと思っていますので、齋藤繁ファンの方はお見逃しなく。

企画展  棟方志功記念館制作のポスター展      (令和3年9月18日〜12月5日)

 一関市博物館では、9月18日(土)から10月24日(日)の前期日程、10月29日から12月5日の後期日程の期間、「企画展 棟方志功展」が開催されました。

 そこで当美術館でもそれに併せて、財団法人棟方志功記念館(青森市)が制作したポスター展及び関連作品を展示しています。

 これは同記念館が3か月ごとに企画し、展示する作品を紹介するポスターで、昭和19年から同22年までの期間に作成されたポスター13枚です。併せて昭和45年制作の「西海道棟方板画」の復刻版画5作品も展示します。

 ポスター及び復刻版画ゆえに本物の迫力には及びませんが、棟方志功の世界は十分堪能していただけるものと思います。

企画展 「黒須道哉  魚の木展」          (令和2年10月4日〜12月6日)

黒須道哉略歴

 昭和33年千厩町千厩字町浦生まれ

 高校卒業後、仙台市でフランス料理を修行し、その後千厩の飲食店に勤める

 平成28年に退職し、独学で魚の木彫を始めて現在に至る

制作者の言葉

 フランス料理や和食の料理人としての仕事をする傍ら、休みの日には海や川で釣りを楽しんでいた経験から、しっかりと魚の姿形を目に焼き付けてきました。

 退職後、約5年前より独学で魚の木彫を始め、その作品が相当数に上ったことから、多くの方々に見ていただきたく、今回の初個展の開催となりました。

 作品を見てのご感想やご意見等をいただき、それを今後の政策に生かし、より作品の質を向上して行きたいと思います。

 どうかご高覧ください。

展示作品

 魚の木彫 62点

開催日時

 令和2年10月4日(日)〜12月6日(日)午前10時〜午後4時

休館日

 不定期につき、来館の際に電話で要確認

特別企画 村上光一コレクション 「鉄瓶の数々」   (令和2年4月1日〜5月31日)期間延長しました

 新型コロナで世情騒然としているなかではありますが、千厩在住の村上光一氏による鉄瓶コレクションをお借りしての特別企画展を、現在の企画展に付随して開催します。

 展示する鉄瓶は16点で、以下のとおりです。

 1 大霰(あられ)文鉄瓶          制作者 藤枝昌行

 2 霰文南部形鉄瓶             制作者 9代小泉仁右衛門清一

 3 鏡肌富士形鉄瓶(写真3枚目左参照)   制作者 藤田源蔵 孝保

 4 柳と蛙文紋鉄瓶             制作者 岩手鋳造所

 5 霰文寸同型形鉄瓶            制作者 照光堂 照亦製作所 出口広

 6 霰文富士形羽広鉄瓶           制作者 不詳

 7 雲龍文南部形鉄瓶            制作者 不詳(藤田形)

 8 霰文台子形鉄瓶             制作者 2代目及川齋(昭和30年代)

 9 稲藁文富士形鉄瓶            制作者 及源鋳造株式会社

 10  蝙蝠傘南部鉄瓶             制作者 不詳(明治時代)

 11  柏葉霰文富士形鉄瓶           制作者 不詳(明治時代)

 12  菊花散図富士形鉄瓶(写真3枚目右参照) 制作者 藤田宝寿 孝保

 13  化粧廻軍配文富士形鉄瓶(写真2枚目参照)制作者 23代有坂富右衛門東五郎

   (この鉄瓶は第26代横綱大錦卯一郎から、横綱昇進の記念品として依頼された品で   す)

 なお、1〜13までの鉄瓶については、写真付きで詳細な解説文が付いています。

 他に文様、銘、制作者等詳細が不明の鉄瓶3点も展示しています。

 博物館以外ではほぼ見ることができない鉄瓶の名品の数々です。是非この機会にご高覧ください。 

企画展 齋藤 繁作品一挙23作品展示プラス8作品    (令和2年2月22日〜9月30日)

 当美術館も新年早々華やかに彩りたいと思います。

 当美術館の至宝とも言える齋藤 繁氏の作品を一挙23作品を展示します。

 もともと当美術館の展示を全て齋藤作品で埋め尽くそうと考えていたくらいでしたから、この企画は遅きに死したとも言えるのですが、今後は随時この企画展を行います。

 なお、他の作品も見たいという方のために、今回8作品を追加展示しました。その作品は以下のとおりです。晩秋から初夏にかけての季節の移ろいをお楽しみください。

  1 花田陽悟   木版画     渓流の秋

  2 勝平得之   木版画     ぼっち

  3 勝平得之   木版画     竹打ち

  4 花田陽悟   木版画     奥入瀬(下の写真を参照)

  5 宮田雅之   リトグラフ   松島

  6 作者不詳   アクリル画   題名不詳(満開の桜の木を描いたもの)

  7 吉田 博   木版画     弘前城

  8 白石隆一   油彩画     鮎

緊急特別展示 熊谷登久平の新発掘油彩画      (期間限定)→(展示は終了しました)

 町内に住む方から、熊谷登久平の絵画を新たに入手した旨お話を伺ったので、当美術館に特別展示をお願いしたところ、快くご許可をいただきました。

 展示は1ヶ月間の期間限定ですが、この機会にどうぞご高覧ください。

 なお、作品の題名は「潮音」で、絵画の左下に「1960年」と記入があるので、この年が制作年と思われます。風景場所は北海道とのことです。

 おって、この方がコレクションしている江戸時代製作の「ひょうそく」(写真の下参照)13点も展示します。今の時代にはめったに見ることのできない貴重な品々ですので、合わせてご覧ください。

企画展 収蔵庫の隅から出てきた作品の数々(その1)      (令和元年8月1日〜10月15日)

 うだるような暑さが続き、当美術館を訪れる人も数えるほどしかない日々が続いています。こんな訳で正直企画展示にも力が入らないのですが、作品購入後、館長自身初めて目にするような作品を展示することにいたしました。

 これは収蔵庫が極めて狭いために奥に押し込められてしまい、目に触れることがなくなったことが原因です。決して作品が劣っているとか、魅力のない作品とかではありません。

  1 渡辺 幹夫      題名なし   銅版画

  2 宮下登喜雄      ツーキャッツ リトグラフ

  3 花田 陽悟      奥入瀬    木版画

  4 畦地梅太郎      伊豫の闘牛  木版画(初期の作品)

  5 畦地梅太郎      題名なし   木版画

  6 清宮 質文      丘の家    木版画

  7 馬場  章      MOON           銅版画

  8 菅井  汲      赤青     リトグラフ

  9 マヌエル・エチャウリ 裸婦群像   銅版画  (メキシコ・北川民次に師事)

 

今回の季節の作品

 お盆といえば秋田県湯沢市羽後町の西馬音内盆踊りが思い出されます。この盆踊りは、鎌倉時代から戦国時代にかけてこの地を治め、関ヶ原の戦いに参陣しなかったために徳川家により取り潰された小野寺一族の霊を慰めるために始まったという説があります。滅亡後、家臣団は伊達政宗の庇護を受けて鳴子口、栗駒口、胆沢口のそれぞれの街道を経て伊達領に移り住んだことから、岩手県南と宮城県北に小野寺姓が多いとも言われています。

 この西馬音内盆踊りの踊り手を描いたのが八戸市の故・大久保景造氏で、水彩画6号・2005年に制作された「映」です。

 我が家のルーツかもしれない一族に関わるこの絵を、毎年この時期に展示しています。

 

企画展 木工作家・大門武彦の遺作木版画展           (平成31年4月〜7月7日)

 昨年末、秋田市の木工作家である大門武彦氏の奥様から、喪中のお葉書をいただききました。なんと武彦氏が昨年1月30日に満62歳でお亡くなりになったとのことで、そのお知らせにただただ呆然といたしました。

 今から約20年前、秋田市内で開催されていた氏の木工作品の個展会場に偶然足をとめ、壁面に飾られていた木版画(北原白秋の詩を彫り込んだ作品)を迷わず購入して以来、現在まで27点の木版画と2点の木製椅子を収集しました。

 氏の木版画の特徴は、画面から醸し出される哀愁漂う叙情性とともに、その独特な文字面にあります(写真参照)。ほぼ全ての作品に氏の文字が彫られていますが、それがことの外異彩を放っており、それらが相まって氏の独特な世界観が表現されています。あまりに素晴らしいため、当美術館の看板文字も氏の文字から拝借しております。

 秋田工業、そして明治大学のラガーメンだったナイスガイの氏の在りし日を偲び、展示した作品27点の木版画とそれを収めた3点の木工額縁、そして木工椅子2点を展示しました。

 どうぞ心ゆくまでご覧ください。

 

今回の季節の作品

 この時期は桜の季節。昨年は季節の作品として吉田博の「弘前城」を展示しましたが、今回は作者不明、作品名不詳、仙台のリサイクルショップからタダ同然で購入したアクリル画(作品は写真)を展示します。

 この作品は、素人が勢いに任せて描いたものと思われ、技術的にも稚拙と思われますが、何か櫻の古木の生命力と華やかさ、そして散るわびしさが感じられて、そこが気に入っています。

企画展 秋田の冬を描いた勝平得之               (平成31年1月1日〜3月31日)

 冬の季節といえば無性に秋田が懐かしく思い出されます。その秋田出身の版画家で秋田の風俗や行事を多くの作品に残した人こそ勝平得之です。

 新しい年を迎え、当美術館が所蔵する勝平得之の作品のうち冬の行事等を描いた版画を、今回展示しました。

 その展示作品は次のとおりです。

 1 まゆだま(秋田風俗十題名 昭和16年制作)

 2 天神様(秋田風俗十態 昭和13年制作)

 3 草市(秋田風俗十態 昭和10年制作)

 4 氷すべり・はこ橇(2点セット 冬の秋田風俗)

 5 ぼっち(題名・制作年月日不明)

 6 雪むろ(昭和6年制作)

 7 てぬぎ・うまのつら(2点セット 秋田民族絵詞 昭和21年制作)

 8 雪国の村里(昭和6年制作)

今回の季節の作品

 9 竹打(3点セット 昭和17年制作・下記の写真参照)

   この作品は、湧水群で有名な秋田県美里町六郷で2月11日から15日まで行われる「六郷のカマクラ」の中の最終行事である竹打(たけうち)です。ヘルメットをかぶった住民たちが東軍と西軍に別れ、竹を振り回して打ち合う勇壮な小正月行事です。勝平は、これを3点セットの版画にして残しました。

   なお、この作品は何らかの理由で赤色が刷り込まれなかった未完成の板画です。ですが、それも資料的に貴重かなと思い、あえて収蔵しました。  

企画展 酷暑で傷んだ心身を癒す画          (平成30年9月1日〜12月31日)

 今年の酷暑でボロボロになった心身を少しでも癒していただきたいと思い、静謐な雰囲気の中でゆったりと落ち着くことができる作品を展示しました。

 1 長谷川潔 「切子ガラスに挿した野花(秋)」 銅版画

   この作品は原板を所蔵するルーブル美術館による後摺りですが、だからと言って作品が

  持つ気品は少しも損なわれていません。

 2 筆塚稔尚 「日蝕」 水彩画

   何を描いたか想像力を巡らすのですが、今だに分かりません。ただ、微力なエネル

  ギーが心の奥底に静かに感じます。

 3 同上   「棘」 木版画

   グレーな和紙の上に二本の蔦らしきものが真上に伸びて、やがて真横に折れる姿を見

  ていると、妙に心が洗われるように感じます。

 4 藤谷 芳 「紅白梅」 木版画

   夜半に月に向かって咲く紅白梅の花が、華やか過ぎず、うるさ過ぎず。

 5 北林小波 「二人のアリス」 パステル画

   半分雲が横たわる晴れた日に、華やかな衣装をまとって立つ愛想のない双子の姉妹。

今回の季節の作品

 6 橋本 花 「秋景」 油彩画(写真参照)

   鮮やかな色を用いて描いた紅葉する雑木林は、見る者の心を穏やかに引きずり込んで

  やみません。見れば見るほど橋本花の傑作だと思います。

   ちなみに、この画家は同じく画家で橋本美術館を設立した橋本八百二の妻です。

企画展 理由のない展示作品の数々           (平成30年6月1日〜同年8月31日)

 たまにはテーマ性のない展示もあっていいのではないか?!と考え、手元にある好きな絵を基にやってみました。

 しかし、これでは企画したことにはならないのですが、あまり固く考えずに、気楽に作品を楽しんでいただければ幸いです。

                作 品

1 八重樫理彦    花        水彩画 

2 佐藤 真樹    ココ・ビーチ   アクリル画

3 同        女        アクリル画

4 小野 忠明    遁走       木版画

5 シバノヤスオ   題名不明     リトグラフ

6 尾張 田人    山道       水彩画

7 同        八甲田山     パステル画

8 同        朽ちた工場    パステル・水彩画

 なお、今回の季節の作品として、白石隆一氏の油彩画『鮎』を特別展示します。

企画展 抽象画は理解できないか? その1       (平成30年3月1日〜5月31日)

 当美術館では齋藤繁氏の水彩画や亡今純三氏のリトグラフといった優れた具象画を常設展示しているので、そういう傾向の美術館と思われていますが、じつは収蔵作品の半数以上は抽象画です。

 ただし、狭い展示スペースのなかに、具象画の常設展示作品と抽象画作品を併用して展示することはなかなか難しく、作品どおしが反発することもあって、あまり展示してきませんでした。

 しかし、それではもったいないので今後どしどし展示して行こうと、今回のその第1段として企画しました。作品らはケンカしないで落ち着いており、展示場の雰囲気も良好です。ぜひご堪能下さい。

                   作 品

1 李 禹煥   都市の記憶より2 1989年  リトグラフ   44/50

2 小野忠明   無題              リトグラフ   1/1

3 高木志朗   紅の幻想     1964年  木版画     41/50

4 磯見輝夫   挽歌       1994年  木版画       10/20

5 千葉菜穂子  新宿ピエタ    2009年  サイアノタイプ 2/5

6 靉  嘔   マウントフジ   1974年  リトグラフ    118/175

7 シバノヤスオ 題名不明     1080年  リトグラフ        24/49

  (作者不明 ただし、署名がそう読めるのみ)

8 棟方志功   宇宙頌             織物・緞帳ミニチュア(青森市立文                         化会館落成記念品)

企画展 宮田雅之・下澤木鉢郎の奥の細道           高橋シュウ・橋本精一の欧州風景          (平成29年11月〜平成30年2月)

 今回は館長が購入後初めて見る作品を展示しました。テーマは「奥の細道」と「欧州の風景」です。

 「奥の細道」展は従前からやってみたかった企画で、今回は本当に小規模ながら将来の全館規模の企画展のステップという位置付けです。

 宮田雅之氏については、昭和47年に東京銀座にあった旭屋書店で署名入りの画集(下記写真「宮田雅之きりえ画集」参照)を購入して以来ファンとなりました。作品としては切り絵作品のシルクスクリーンなので美術的価値はありませんが、谷崎潤一郎や川端康成が贔屓にした作家作品の美の一端でも味わっていただければ幸いです。

 なお、今回の作品も載っているおくのほそ道画集(写真参照)も同時に展示しています。

 一方、下澤木鉢郎氏については、今から9年前、下澤作品のコレクターが手持ち作品の展覧会を青森市の画廊で行った際、ダメだというのを無理に譲ってもらった作品が今回の「象潟の冬」という作品です。芭蕉の紀行文からは想像もできない荒々しい象潟の風景で、なかなかの迫力です。(下記写真の評伝本も同時展示)

 1 宮田雅之  山寺   シルクスクリーン     レゾネ番号110/120

 2 同     松島   同            同

 3 同     月山   同            同

 4 同     最上川  同            同

 5 下澤木鉢郎 象潟の冬 木版画(昭和23年製作) 作品枚数不明     

 次の「欧州風景」展ですが、高橋シュウの作品は秋田市の画廊で購入したことは記憶していますが、橋本精一の作品については、どこかの町の家具店で購入した記憶しかありません。しかし、対照的な二人の作品を並べてみると、どこか洒落た雰囲気が醸し出されています。

 1 高橋シュウ LISBON          リトグラフ レゾネ番号5/80
 2 同     RothenburgⅢ       同     同    5/75

 3 橋本精一  パリの裏街サンパンサン通り 同     同    146/250

企画展 齋藤繁新作水彩画展              (平成29年8月〜同年10月)

 当美術館の常設展示作家である齋藤繁氏の水彩画の新作を収蔵できましたので、これを展示します。

 今年度に制作したという新作を拝見しましたが、全然年齢を感じさせない、みずみずしい作品の数々です。ぜひご覧ください。

 なお、常設展示の作品も合わせてお楽しみください。

 1 尾瀬(6号)   2 アルペン街道(6号)   3 奥入瀬(6号)

 4 紅葉(6号)   5 老松の住宅(6号)    6 花(4号)

 7 写生(4号)   8 橋(6号)        9 鉢植え(4号)   

企画展 小粒ながらキラリと光る油彩画展 第1回   (平成29年2月1日〜7月31日)

 当美術館ではほとんど油彩画を収蔵しておりません。

 それは、一つには油彩画が高価であるために購入できないこと、二つには館長がどうしても欲しいと思う作品があまりなかったためです。

 そんな中で、小作品ながらキラリと光る油彩画だけを収集してきましたが、今回、その作品を一部展示することとしました。

 作品の数は下記のとおり9点と少ないのですが、手前味噌ながら充実した展示内容と自負しています。なぜなら、これがために館内が落ち着いた雰囲気を醸し出しているからです。

  1 白石隆一  原題「鮎」

  2 棟方寅雄  原題「少女」

  3 丹野昭典  原題「秋のばら」

  4 同     原題「早春の雄物川」

  5 作者不詳(ただし、八戸の病院長と聞いている) 

          原題不詳(絵画は遠景に階上岳を望む八戸市街地風景を描写)

  6 花見 宴  原題「りんごとベトナムの置物」

  7 同     原題「冬の窓辺(晴れた日)」

  8 同     原題「花とトウモロコシ」

  9 橋本 花  原題「秋景」

          (美術館日記2017.5.11の写真及び文章を参照)

     橋本 花  1905〜1983

           女子美術学校時代に帝展入選

           1925 岩手県紫波町出身の画家橋本八百二と結婚

           結婚後、岩手の深澤紅子ら県内画家と交流

           1979 橋本八百二死去 死後青森に帰り創作

           2016 岩手県立美術館で本県ゆかりの作家として油彩画7展を

           収蔵

           2017県立美術館第1期常設展に合わせて初の特集展示を企画 

企画展  館長が選んだ「女性の顔」作品展      (平成28年10月9日〜同29年1月31日)

 今回は秋という季節柄、選りすぐりの風景画にしようと思ったのですが、気分を変えて「女性の顔」を描いた作品展としました。

 下記の6作品は特に系統立てて集めたわけではなく、例によって作者不詳や題名不詳の作品があり、技法も内容もバラバラですが、館長が「これは!」と感じて折々に収集した作品ばかりです。

 こんな内容ですが、展示してみると不思議と調和して館内が華やぎました。ぜひご覧ください。

  1 山内ゆり子 題名「the  de  L`opre`s  midi」  木版画?(1/13)

          1946青森市生まれ 1968上智大学文学部卒業 1971パリ          国立美術学校入学(油絵・版画) 個展、グループ展多数 現在パリの

                             アトリエと兵庫県西宮市を往来し制作 作品コレクション(パリ国立現

                             代芸術財団、パリ国立図書館、シンガポール国立美術館、広東美術館、

                             バングラデシュ国立美術館、青森市文化会館、ぱるるプラザaomori 

  2 作者不詳(作品に「邦」のサインあり)  題名不詳(女性の顔)  木版画

          どこかで見たような作品なのですが、全然思い出せません。あるいは

          勘違いかもしれません。

          作品に描かれている女性は決して美人ではないのだけれど、額縁も貧

          弱そのものですが、その目力(めぢから)に一瞬で虜になってしまい

          ました。いくら時間が経っても、目力の勢いはますます強まるばかり

          です。

  3 高沢圭一  題名不詳(首の長い和服を着た女性の上半身)  木版画

          大正3年〜昭和59年 群馬県生まれ 東京で没 日大芸術学部中退          昭和14年聖戦美術展でas日新聞社賞受賞 50年〜57年「婦人公          論」表紙絵担当

  4 齋藤真一  題名「筒石の女」 木版画(45/100)

          1922岡山県生まれ 1942東京美術学校師範科入学 1948

          同校卒業 1958パリ留学・滞欧中藤田嗣治と親交を深め、「日本

          に帰ったら秋田や東北の教えられ、自分の画風で描くことを勧められ

          る 1961夏に津軽へ行き、ねぶた祭りに感動、津軽三味線の音色

          に驚き、宿の古老から瞽女のことを教えられる 以後瞽女を題材とし

          た作品を制作 1994没

  5 風間 完  題名「女」 リトグラフ?(5/65)

          1919東京生まれ 1939東京高等工芸学校卒 猪熊弦一郎、荻

          須高徳に師事 1953朝日新聞夕刊小説の邦枝完二「恋あやめ」で

          挿絵デビュー 1954新制作派会員 1957パリ留学 1967

          再度パリ留学 1964講談社挿絵賞受賞 2002菊池寛賞受賞

          2003没

  6 棟方寅雄  題名「少女」 油彩画

          1902青森県弘前市生まれ 1921画家を志し岸田劉生の門を叩          き約3年間師事 1927林重義、中川一政に約5年間師事 

          1929春陽会展初入選 1930二科展入選 1942二科展会友

          推挙 1955会員 1992没 

企画展  真夏の恐怖!?清涼版画  「小作 青史」展    (平成28年7月16日〜10月7日)

 今夏はラニーニャ現象により殊のほか暑さが厳しいと予報されるなか、見るだけで一瞬にして涼しくなること請け合いの小作青史の版画をご覧ください。

 初めて小作作品を見たときの印象は、なんとも言えない「薄気味の悪さ」でした。その印象は今も変わっていません。小作の世界は個性的で、だれもが見て喜ぶ作品ではありません。

 それだけに、当美術館の規模のスペースに同人の作品を展示するということは冒険です。でも、お化け屋敷に入ったと思えばいいのではありませんか。なにより、入場料を払わずに清涼感を味わえるのですから。

展示作品

    1 煙り上がる     リト木版画

  2 裏側の顔(B)    リトグラフ

  3 上に乗っている者  リトグラフ

  4 はと        同上

  5 堕ちたかたち    同上

  6 走馬燈のように   木版画

作家の経歴

  1936年 東京都生まれ

  1960  東京芸術大学油絵科卒

  1971  多摩美術大学油画専攻(版画)に勤務

  1974  フィレンツェ国際版画ビエンナーレ(エミリア・ロマニア県知事賞)

  1984  筑波大学芸術学部美術系講師

  個展多数

企画展   木口木版の第一人者 「柄澤  齊」展      (平成28年5月16日〜7月15日)

 今回は館長の大好きな木口木版画の第一人者柄澤齊の作品をお楽しみください。

 柄澤氏は1950年、栃木県日光市生まれ。

 1974年、創形美術学校研究家版画課程終了後、当美術館でも作品を展示した日和崎尊夫に木口木版を師事し、現代の木口木版画の第一人者として活躍しています。

 かたわら、オリジナルコラージュ、ボックスオブジェやエッセー集や小説等も手がけています。

 なお、下記展示作品のほか、下記写真のエッセイ集「銀河の棺」及びこの本の中に挿入されたオリジナル手摺り木口木版画1葉、さらに小説「ロンド」も展示しています。

 

展示作品

   1  肖像XXIIパウル・クレー        1984年制作

   2  肖像XXVIIオディロン・ルドン      1985年制作

   3  変相図E                1988年制作

   4  死と変容1−2「夢または旅路」     1988年制作

   5  死と変容II洪水より「Conversation」  1985年制作

   6  死と変容II−5「神話A」        1990年制作

   7 「ZIPANGU」より「金太郎と山姥」    1999年制作

 

企画展その1  ワタナベ版木版画(渡部正弥・海野光弘・舩坂芳助)及び為金義勝、日下賢二木版画展       (平成28年3月1日〜5月15日)

 渡邊木版美術画舗で制作した、いわゆるワタナベ版の木版画及び為金義勝、日下賢二の木版画9点をお楽しみください。

 これらの作品は、今から8、9年前、青森市の画廊五十一番館から購入したものです。

 ワタナベ版の木版画は、さすがに川瀬巴水を売り出し、浮世絵復刻を手がけている渡邊木版美術画舗ならではの色鮮やかな作品の数々です。それに対して、為金義勝、日下賢二の作品は、抽象作品ながらも落ち着いた余韻をもたらしてくれます。いずれも小品ですが、味わい深い作品の数々です。

 なお、これまで数々の企画展を実施してきましたが、今回ほど企画展の絵画と常設展の絵画が違和感なく融合した空間は初めて言っても過言ではないと思います。どうぞ、ごゆっくりとお楽しみください。

           渡部 正弥   八ヶ岳

           海野 光弘   沖縄の夏

                   沖縄の家

           為金 義勝   ある交響曲

                   何処へ

           舩坂 芳助   雨

                   雪の影

           日下 賢二   作品A

                               作品B

企画展その2  森義利、武井武雄、野田哲也、日和崎尊夫、吉原英雄、オノサトトシノブ小品展       (平成28年3月1日〜5月15日)

 同じく同時期に青森市の画廊五十一番館から購入した小品の数々です。

 かつては一世をふうびした作家の方々ですが、現在ではほとんどご存知ない方が多いかもしれません。

 しかし、こういう方々の努力があって現在の世界に誇れる日本の版画の世界が存在していることを忘れないために、時折こういう作家の企画展を催したいと思っています。  

           森  義利     ひめごと(シルクスクリーン)

           武井 武雄     渡り鳥(木版)

           野田 哲也     Diary.Nov.24th81(木版&シルクスクリ

                     ーン)

           日和崎尊夫     たがねの花(木口木版)

           吉原 英雄     鳥と女(銅版画)

           オノサトトシノブ  人の星(シルクスクリーン)

 

 

 

企画展  梅津裕司展 月の光の下で

(平成27年11月1日〜平成28年2月29日)

 今から約10年前、秋田市保戸野鉄砲町にある額縁店「文園堂」さんで、梅津裕司氏の作品を見せられました。

 店主曰く、「秋田出身の版画家ですが、秋田ではこういう作品がなかなか売れないんです。」ということでした。初めて聞く名前、初めて見る作品でしたが、抽象作品でもなく、かといって具象作品とも違う幻想感漂う一種独特な世界に魅入られて、ぜひ手に入れたいと思いました。

 今回の展示は「月の光の下で 1〜9」のリトグラフ9点ですが、生暖かい幻想的な世界をご堪能ください。

  1952年   秋田県に生まれる

  1978年   東京芸術大学大学院美術研究科版画専攻終了

  1982年   個展(みゆき画廊・銀座)以後多数

企画展  今 純三展                青森を刻む精巧なエッチング            (平成27年8月8日〜同年10月31日)

 今純三と言っても、ほとんど知る方はいないと思います。

 館長も青森に暮らすまではまったく知りませんでした。ましてや、全国的な知名度はなきに等しいと思います。

 ちなみに、1995年に発売された「実践 版画収集テクニック」(日経BP社刊)掲載の近代及び現代版画作家番付にも今純三の名前は出てきません。このような状況であるために、現在でも氏の作品は高くはありません。むしろ安いくらいです。

 氏の略歴を簡単に記しますと、

 1883年 青森県弘前市に生まれる

 1906年 一家で上京

 1909年 太平洋画会研究所に入り、中村不折、満谷国四郎らに指導を受ける

 1910年 白馬会葵橋洋画研究所に入り、黒田清輝らに学ぶ

 1912年 新設の本郷洋画研究所に入る

       第6回文典展で油彩画が初入選

 1919年 第1回帝展で油彩画が入選

 1933年 東奥日報社刊「青森県畫譜」の制作に着手、畫譜は100点からなり、翌年完

       成

 1938年 エッチング大作「松尾鉱山精錬場」完成

 1939年 一家5人で上京 

 1944年 灯火管制下の病院で死去 

 1945年 妻せつ、7月の青森市空襲で戦災死(遺体は発見されていない)

です。名声や富貴とは無縁の一生であったと言っていいでしょう。

 しかし、世の評価はどうであれ、今純三氏のリトグラフや銅版画で市井の人物や風俗を描いた作品には、北斎漫画に合い通じるものものがあります。ことの外花見で酔っ払ったを描いた作品は、現代の北斎漫画と言っても過言ではありません。

 昭和7年頃、今純三氏は、「今若い人が言っているシュルレアリズムには反対です。私は正直な写実からくる迫力を尊重します。」と述べたそうですが、この言葉の中に今氏の作品の特徴がよく現れていると思います。

 今回の企画展では、その一端が垣間見える作品とともに、昭和9年に制作した「青森県畫譜」の作品全100枚のリトグラフの中から「目屋渓流」を展示しました。今氏とはなんら縁もゆかりもない岩手の片田舎にある美術館ですが、今後とも不遇と言って良いこの作家の「青森県畫譜」を中心に、作品の展示を通して顕彰していきたいと思っています。

 なお、10月11日放映のNHKEテレ「日曜美術館」で、忘れられた画家として「五姓田義松」が取り上げられていましたが、その人生はまさに今純三の人生と重ね合う部分が多い様に感じました。いつか、このお二人を比較考証した論文を書いてみたいと思っています。

              展示作品

 1 目屋渓流「青森県畫譜より」     リトグラフ   昭和9年制作

 2 太平洋を望む風景          エッチング   昭和15年制作

    上北郡三沢村四川目海岸にて

    三沢村四川目所

    昭和八年の海岸記念碑(上北郡三沢村)

 3 晩夏風景(公園のスケッチ)     エッチング

    将棋さすパン屋とアイスクリーム屋

    ベンチのある風景

    氷水とおでんの屋台店

 4 阿修羅の流れ            エッチング    

    獅子岩のスケッチ(子ノ口付近)

    阿修羅の流れ付近の一景

    奥入瀬阿修羅の流れ

 5 松原の景趣             エッチング  昭和12年制作

    弘前市の営所通風景

    木造町松原風景

    青森市松原通り風景

 なお、棟方志功氏が昭和45年12月27日に今純三との交友関係についての思い出を記したメモの写し(本文も記載しました。)及び今氏の次女小倉ミキ氏の著書「父・今純三のこと」(昭和54年北の街社刊)(下の写真参照)も併せて展示します。

      今純三画伯

                                  棟方志功

 「バラライカの男」といふ油絵を、わたくしは当時処作の一つとして、覺帳の中に印してゐました。

 黄色の光りを受けた私服の男が、、紫の影を深かくしてバラライカといや、その頃でも、今でも珍らしい三角形のロシヤの楽器を斜めに斜めに構いた油絵でありました。東奥美術展、第一回かの赤十字社青森支部(その頃、青森市では唯一の展覧會場)でその作品を眺めた時のよろこびと、教へられた事の立派さを、今、アリアリと思ひ起こします。

 今画伯とはあまり會ふ機會を持たないままに随分と長い間を、青森市で一緒のだったのでした。

 ずうと後になりましてから、関野準一郎氏方々が、よく今画伯に出入りをして居た様でした。カラスの話。石版の話。銅版の話を、なにか、かにかに人傳てに聞かされました。

 先頃、佐藤米次郎氏が、今純三画伯が、わたくしを銅版で刷色してくださった「棟方志功氏像」を届けてくださいましたが、まことに恭けない風韻を今に受けた想ひを温かく致しました。

 「志功サン、志功サン」とよく優しくしてくださった事を、この像を見るごとに切なく当時に戻って感動を繰り返しありがたさを、⚪️してゐます。

 合浦公園裏の⚪️⚪️の花咲くあたりの画室にも一度か二度行きました。太い根っ子が横に這い廻ってゐた松の下の画室でありました。

 昭和四十五年師走二十七日

企画展   絵画の虫干し展            (平成27年4月27日〜8月6日)

 今回は、やや大きめの絵画を展示しました。

 大きい絵画は、普段なかなか展示しにくいため、収蔵庫に眠ったままとなっています。

 購入した後、一度も見たことのないものもあります。

 そこで、薫風流れるこの季節に展示してじっくり眺めてみたいと思いましたが、そこには高尚なテーマ性や理論等はありません。どうかあしからず。

  1 作者不明(仙台のリサイクルショップから購入)

                アクリル画   画題不明(満開の桜を描いたもの)

  2 戸村茂樹        銅版画     地上の星座

  3 加地保夫        コラグラフ   記憶の光

  4 牧野邦夫        リトグラフ   自画像

  5 李 禹煥        リトグラフ   都市の記憶より 2

  6 筆塚稔尚        木版画     2004−174「棘」

企画展 無名作家!?の小品展(その2)       (平成27年2月11日〜4月26日)

 今回の企画展は、平成26年4月〜5月に開催の小品展に引き続き、収納庫に埋もれている小品に光を当ててみました。

 小品はどうしても展示室の中で生えないため、展示に意欲がわきません。でも、どの作品も気に入って手に入れたものだけに、改めて作品を見てみるとそれぞれに思い入れがあります。

 日の目を当てたい小品はまだまだ収納庫に眠っていますので、この小品展は今後シリーズ化していきたいと思っています。お楽しみに!

     北林小波(青森市出身)    パステル画   少女

                            RICE

                                                                    CHOCOLAT

                            友達

     渡辺俊明(静岡県出身)    アクリル画   鯛

     野村 博(不明)       エッチング   無題

     大場尚文(不明)       水彩画     奥入瀬

     高木志朗(青森県出身)    木版画     冬の津軽路

                            弘前ねぷた

     大門武彦(秋田市在住)    木版画     北原白秋の人形の足首

     田中 修(愛媛県出身)    不明      不明 

 北林小波  東京に在住しています。時々青森で、東京では毎年展覧会を開催しています

       が、青森での展覧会では作品が即完売です。当美術館では、そのオープン当

       初に北林さんの企画展を開催しています。

 渡辺俊明  秋田市の陶器店で展示している当作品を見た際、魚の目が生きていて、今に

       も飛び掛らんばかりの迫力を感じましたので、それに押されて即購入しまし

       た。

 野村 博  どこで購入したか忘れてしましましたが、作品の出来栄えが良いと思って購

       入しました。額の裏に「東京国立近代美術館収蔵」とメモ紙が貼ってありま

       すが、真偽のほどは定かではありません。ネットで作者を調べてもヒットし

       ませんでした。しかし、そんなことは関係ありません。作品がよければいい

       のです。

       (後日談)

       このホームページを見た野村氏の関係者の方からお手紙をいただき、合わせ

       て野村氏の作品図録をお送りいただきました。そこで当美術館が所有する作

       品について問い合わせましたところ、次のようなご回答をいただきました。


       「タイトルはありません。(野村博作品リスト ミニチュア作品No.2073で

       記録されています。

       制作/1982年 技法/エッチング(銅) サイズ/115×90mm

       エディション/30 1/30〜15/30は黒1版1色刷り 16/30〜25/30はブ

       ルーと茶塗り分け1版2色刷り

       26/30〜30/30は擦り無しです。

       11/30(館長注・当美術館所蔵の作品)については、

       1982年の年末日本美術家連盟展に寄贈された作品で、その作品展で売却

       されたものです。

       その後、どのようなルートで小野寺様の手元に辿り着いたかは、作品に訊く

       しかありません。以上です。」


       本当にありがとうございました。次にこの作品を展示する際には、いただき

       ました図録と共に上記の解説を付け加えさせていただきます。

 大場尚文  仙台のとある画廊で見たとき、奥入瀬の風景が生き生きと描かれていたので

       手に入れました。どんな作者なのかは全く不明ですが、いいものはいいので

       す。

 高木志朗  青森に住んでいた時、この作者の作品を知って夢中になり、探して大きな木

       版画の作品を3点購入しています。不遇のうちに亡くなりましたが、津軽の

       叙情を漂わせた作品がことの外好きで、そのうち企画展も考えています。

 大門武彦  秋田市在住の元ラガーメンの木工職人です。製作した家具の展覧会に展示し

       ていたこの木版画を一目見て気に入り、その後も小品ばかり数十点購入しま

       した。何よりも版画に摺られた文字の形が素晴らしい!、どうかこの書体を

       味わってください。そのうちに同氏の企画展を開く予定です。

 田中 修  どこで、いくらで購入したのか思い出せません。リサイクルショップか

       も!?額縁の裏に略歴等(様々に、もったいぶった能書きがずらずらっと)

       が記載されています(売らんがために画廊が表示したものと思われます。)

       が、全く関心ありません。とにかく、作品そのものが全てです!

開館2周年特別企画展 佐藤米次郎「みちのく子供の四季」展                       (平成26年12月1日〜平成27年1月31日)

 昭和38年5月20日に青森県で全国植樹祭が開催された際、天皇、皇后両陛下は、浅虫温泉の東奥館にお泊まりになられました。その旅館の主人平田直司氏は、佐藤米次郎氏に木版画を依頼し、出来上がった作品10枚を両陛下がお泊まりになられたお部屋の襖に貼付したり、包み紙として使用いたしました。両陛下はこれをご覧になり、大変ご興味を持たれたとのことです。

 宮内庁からこの事実を聞かされた佐藤米次郎氏は、あらためて刷りなおして額装し、これを桐の箱に入れて御献上されました。このほか、記念として関係者にも配りました。

 これらの作品は、陛下への御献上及び関係者への頒布のために刷りなおした木版画のうちの10枚です。この貴重な作品をこの機会にぜひご覧ください。

 

             みちのく子供の四季

              1  春 こま廻し

              2  春 まりつき

              3  夏 からんちょ

              4  夏 ねぶた

              5  夏 なわとび

              6  秋 雀追い

              7  秋 秋もち

              8  冬 雪むろ

              9  冬 昔ばなし

              10   冬 そりすべり

    佐藤米次郎小歴

       1915年元旦 青森市に生まれる

       版画家平塚運一、棟方志功に師事

       青森県版画会を創立

       日本版画協会会員、日本美術家連盟版画部会員、日本童話協会理事、青森

       明の星単字大学助教授、青森大学講師、青森短期大学講師を歴任

       第1回青森市文化功労者(昭和46年)

       2001年 死去

   


企画展     ツノカケミサキ作品の収展      (平成26年8月1日〜11月30日)

 6月2日から7月21日まで当美術館で開催した「ツノカケミサキ展」。

 そのときに展示した作品の中から、今回、選りすぐりの名品をご鑑賞できます。

 期間中にご覧になることができなかった方は、ぜひこの機会をお見逃しなく。

 作品

 1 食卓にて(2014年製作 銅版画)

 2 みんなの開拓地(2012年製作 銅版画)

 3 笑っている(2012年製作 銅版画)

 4 化けて出てやる(2013年製作 銅板画)

 5 行進(2013年製作 銅版画) 

 6 空から魚が降って来て(2012年製作 銅版画)

 

企画展   ツノカケミサキ展 〜非日常の世界に遊ぶ〜      (平成26年6月2日〜7月21日)

     毎日毎日、変化のない日常生活を送っているあなた!

 

     岩手の一番南の方にある小さな町の小さな美術館で、

     少しギョッとしてみませんか!?

 

     見てびっくり やがて想像が広がり、異空間に遊ぶ

     脳が活性化すること請け合いです

 美術史家の高階秀爾氏は、「芸術の持つ重要な機能、ないしは効用のひとつは、決まりきった日常性の繰り返しのなかにまどろみがちな日々の単調な生活のなかに、非日常的な生命感をもたらし、それによって生命のエネルギーをよみがえらせるところにある。」と述べています。

 制作された作品でこの芸術の効能を感じさせてくれる作家こそツノカケミサキ氏なのです。

 館長が初めてツノカケさんの作品を見たのは平成24年の始めでした。一目見るなりその奇想さにびっくりし、そして無性に欲しくなりました。そして、お願いして同年3月末、職場の方々から額に入れた同氏の作品3点を定年退職の記念品として頂戴しました。

 今回、同氏の新作を見せてもらったところ、そのあまりのすばらしさに感動し、ぜひ当美術館で展覧会を開催したいと懇願しました。それが実現できてこんなに嬉しいことはありません。館長も来館者の一人として楽しみたいと思っています。今からとてもワクワクしています。

企画展 池田満寿夫及び著名作家の小品展       (平成26年4月〜5月)

池田満寿夫 

 展示作品    ある聖書その1(メゾチントカラー)(1973年製作)

         ある聖書その2(   同    )(   同   )

         ある聖書その3(   同    )(   同   )

         ある聖書その4(   同    )(   同   )

         笑う女    (リトグラフ   )(1976年製作)

日和崎尊夫    たがねの花  (木口木版画)

吉原英雄     鳥と女    (銅版画)

野田哲也     Diary Nov24th(版画)

オノサトトシノブ 人の星    (シルクスクリーン)

森 義利     ひめごと   (シルクスクリーン)

 

 今から30年前、東磐井郡藤沢町(現一関市藤沢町)で開催の縄文野焼き祭りに参加のために来藤された画家の岡本太郎、文芸評論家の奥野健男、陶芸家の辻清明、辻 花夫妻、バイオリニストの佐藤陽子の各氏の中に池田満寿夫氏がおりました。初めて同人を見た時、実に気さくで快活な人という印象でした。

 その後、何度か池田氏の展覧会に足を運びましたが、正直に言うと、未だにそれらの作品を完全に理解し得たとは言えません。しかし、氏独自の作品であることだけは間違いありません。

 今回の展示作品は、作家の小川国夫作「或る聖書」を題材とした作品4点外で、青森の画廊で一目で気に入った作品ばかりです。どうか、十分にお楽しみください。

 また、版画の小品は、青森の上記とは別の画廊で買い求めたものです。抽象的な作品ばかりですが、こういう作品は見ていて飽きるということがないので、そういう観点から収集しています。

     

企画展  河田勉成 陶・TOUKA・陶人形展

 開催日前期 平成26年3月8日(土)〜16日(日)正午〜午後4時

    後期      3月21日(金)〜30日(日)同

 休館日   3月13日(木)、3月27日(木)

 平成23年3月11日に発生した東日本大震災。これにより、多くの人命と建造物が失われました。

 当美術館の常設コーナーに作品が展示されています河田勉成氏も、この大震災により多くの陶芸作品が破壊されました。そして、今日までにあきらめや憤り、そして祈りなど自らの内にこみ上げてくる様々な感情のおもむくままにオブジェやTOUKA(陶花、灯火、灯架、桃花、棹歌ーいろいろな思いを込めてー)、陶人形の数々を造ってこられました。

 館長は、昨年秋に白鶯窯を訪れた際、これら作品の一部を見て衝撃を受け、ぜひ多くの方に見てもらいたいと思い、今回の展覧会開催の運びとなりました。特に公開を予定していなかった作品にもかかわらず、快くご承諾いただいた河田勉成氏には心から感謝申し上げます。

 二度と同じものは造れないとつぶやいた初公開の八十点余に及ぶこれら作品群を多くの方にご覧いただくことこそが、大震災で亡くなられた方々のご冥福をお祈りすることにつながるのではないかと思っております。

 

河田勉成

 昭和21年京都府生まれ

 昭和55年 宮城県鶯沢町(現栗原市)で白鶯窯を開窯

 日展入選(9回)

 平成15年度宮城県芸術選奨受賞

 平成24年宮城県教育文化功労者として表彰

 宮城県芸術協会運営委員

 河北工芸展招待

   

企画展  勝平得之作品展(平成26年1月〜2月)

 

   当美術館が収蔵する勝平得之の木版画14点を展示します。

   その作品は次のとおりです。

 1 竹打(3点セット 昭和17年製作)

 2 まゆだま(秋田風俗十題 昭和16年製作)

 3 ゆり(花売風俗十二題 昭和36年製作)

 4 草市(秋田風俗十態 昭和10年製作)

 5 天神様(秋田風俗十態 昭和13年製作)

 6 除草(農民風俗十二ヶ月 昭和24年製作)

 7 氷すべり、はこ橇(2点セット 冬の秋田風俗(1)、(2))

 8 ぼっち(複製画集に未掲載の作品のため、題名、製作年等不明)

 9 雪むろ(昭和6年製作)

 10  てぬぎ・うまのつら(2点セット 秋田民族絵詞「被物と履物」 昭和21年製

   作)

 11 チャグチャグ馬コ(昭和31年製作)

   12 ねぶた祭(昭和31年製作)

 13   雪国の村里(昭和6年製作)

 

 一般には勝平得之の名はなじみがないと思いますが、秋田、いや日本が誇る木版画家です。かつて評論家の呉智英氏は、2014年1月24日(火)付け産經新聞のコラム欄「断」で、勝平得之の木版画について次のように述べていました。

 「秋田は年末からすさまじい豪雪である。ただでさえ失業率や離婚率の高さで秋田のイメージが落ちているのに、この白魔の報道が追い討ちをかけている。秋田びいきの私としては残念でならない。

 私が秋田びいきなのは、そこにすばらしい芸術があるからだ。

 まず、秋田市の久保田城址千秋公園にある美術館の藤田嗣治コレクション。その中には畳五十畳の大きさ(世界最大)のキャンパス画もある。

 もう一つは、勝平得之(1904〜71年)の版画である。十色以上を重ね刷りした美しい版画は力強い詩情にあふれ、ブルーノ・タウトにも絶賛されたほどだ。ただ、勝平は生涯秋田を離れなかったため、藤田嗣治ほどには知られていない。

 実は私自身、3年前秋田に行くまで勝平得之を知らなかった。秋田のギャラリーで偶然目にして衝撃が走った。市場、祭り、農作業、子供たち・・・。こう書いてしまうと、農村風景を描いた素朴派の版画と誤解を受けるかもしれない。しかし、勝平の彫刻刀は素朴の奥にある豊穣まで描き出す。このコラムでは図版を示すことができないので、たとえで言うが、北川民次の躍動的な土俗性を思わせるものがあるとでも言おうか。

 昨年、精巧な複製画集『勝平得之<版画50選>』(秋田文化出版)が出ていることを知り、購入して飽かずに眺めている。「サライ」などの趣味系グラフ誌でも取り上げられるようになった。再評価の機運にあるのだろう。

 地方というと「低迷」か「純朴」の一言で語られることが多いが、文化の厚みを背景にした全く独自の魅力があることを秋田には教えられた。」(全文原文のまま)

 ここに勝平得之の魅力のすべてが語られています。

 

企画展   本年度の収蔵作品展(平成25年12月)

 本年度に収蔵した作品を6点展示します。

 その作品は次のとおりです。

 1 佐藤真樹      ココ・ビーチ  水彩画

 2 同         女       水彩画

 3 エンドウシノブ   悲しきピエロ  アクリル画  

 4 勝平得之      花十二題「ゆり」木版画

 6 齋藤繁       渕       水彩画

 7 同         新緑の池    水彩画

 齋藤真樹さんは、当美術館の近くに住む若手の作家で、心象風景を絵に表して描いています。その画風は、草間弥生を彷彿とさせるもので、小学生たちの追っかけがあるくらい人気があり、とても楽しい気持ちにさせてくれます。今回の作品「女」は、レオナルド・ダ・ビンチのモナリザをイメージして描いたと言っていましたが、とても印象的な作品です。これからの絵画にとって、見て楽しいことが一番大事な要素ではないかと思っています。これから生み出される作品を楽しみに待ちたいと思います。

 エンドウシノブさんは、一関市舞川に居住する作家で、一関の彩画堂さんで個展を開催しているところを見に行って購入しました。ニューヨークでの個展はどうだったのでしょうか。今後、とても期待が持てる作家さんです。

 勝平得之は、独学で木版画を制作した秋田の木版画家で、秋田市に記念館があります。本来はもっともっと評価されていい画家だと思っていますが、全国的に知名度が低いのが残念です。近いうちに企画展をやるつもりです。

 齋藤繁さんは、当美術館の常設展示画家ですが、この6号の2作品は、他の展示会に貸し出しのため、10月に当町の東蔵で開催された水彩画展で展示しなかったものです。今更ながら、作品のできばえは申し分ありません。

 十分にお楽しみください。     

 

企画展  青森の作家たち 第1弾          (平成25年8月1日〜11月30日)

 前回の企画展で、「青森の作家たち 第1弾」として、棟方志功、小野忠明、高木志、前田常作の各作品を展示しましたが、来館者というより館長自らがもう少しこれらの作品を見たいと思いますので、引き続きこれらの作品を展示します。

 と言いますのは、館長が転勤族であったため、購入した作品を即実家に搬入したため、ろくにこれらの作品と対面していなかったからです。いわば十数年前ぶりに彼女とあったので、喫茶店にでも誘ってじっくりと話しをしたいというような感じでしょうか。これらの彼女ならぬ作品に初めて対面したときの驚き、その結果購入した経緯等をじっくりと再確認していきたいと思っています。

 なお、各作家とその作品については、「7月の企画展」に記載の説明内容をご覧ください。

 あわせて、棟方志功が装丁した谷崎潤一郎の各本や太宰治の各初版本もお楽しみください。

企画展 その1                    (平成25年7月)                 盛岡少年院の少年たちの製作による木版画の一部 岩手の駅舎シリーズ

その2 青森の作家たち 第1弾

 当美術館の館長は、転勤先の青森市と八戸市に計9年半住みましたが、この地は芸術の香り豊かで、ひとびとも優れた鑑識眼を有していました。このような土地で生み出された版画作品は非常にレベルが高く、今は消えてしまった数々の画廊巡りをしては、わくわくドキドキしながら至福の時を過ごしたことを憶えています。

 その中から、今月はその第1弾として青森の作家たちの版画を順次展示していきますので、ご期待ください。

○ 棟方志功 「宇宙頌」(絹織物・青森市民文化会館の緞帳のミニチュア・会館落

       成記念品

       館長は、今から40年前、東京のとあるデパートで棟方志功の油

       彩画点を見に行ったとき、その場に棟方志功氏がいて、少しばか

       りお話を伺うことができました。

       そのときに氏の油絵を見て、「なんじゃ、これは!?」と思った

       ことを今でも思い出します。おそらく、氏のあふれる情熱は油絵

       の中で筆の止めようがなく、一方、版画の中では彫刻刀がブレー

       キの役目を果たし、それが結果として魅力あふれる造形として残

  ったということではないかと解釈しています。

○ 小野忠明 「無題」(石版画)

       「遁走」(木版画)

       青森市内の小さな画廊で「遁走」を見て一目で気に入り、購入し

       ました。その際、なぜかこの作家の作品をもっと見たいと思い、

       作家の遺族の住所をお聞きしてお尋ねしました。ご遺族から、こ

       の中から選んでほしいと言われて何十枚かの作品をお借りし、一

       晩かけてその中から選んだのが「無題」の作品です。

       その後、秋田の額縁店「文園堂」さんに一切をお任せして額装し

       たこの作品は、今、展示室の中で輝いています。

       ただ、今にして思えば、どの作品もすばらしかったので、経済的

       には困難だったものの、無理してでも購入しておけば良かったと

       未だに公開しています。

       その後、この方が、初めて棟方志功にゴッポのひまわりの絵の写

       真を見せ、志功が「わだばゴッポになる!」と決意して世に出る

       きっかけを作った方だと言うことを知りました。

○ 高木史朗 「日本の鬼」(木版画) 昭和43年ポーランド・クラコウ国際

       ビエンナーレ展版画部門グランプリ受賞作品

       全国的にはほとんど知られていない作家ですが、若いときには優

       れた抽象版画を制作しています。平成5年当時、それらの作品を

       一括購入できるチャンスがあったのですが、経済的な面から断念

       したことが悔やまれます。

       津軽の旧常盤村出身者らしく、その作品には津軽の風土が色濃く

       にじんでいます。

○ 前田常作 「八甲田風景(昭和35年)」(木版画)

       「碇ヶ関風景(昭和35年)」(木版画)

       旧制青森中学校で版画家の関野準一郎と同級で、一緒に版画制作

       にいそしんでいた方です。卒業後、青森市役所、青森県庁に勤め、

       昭和48年に定年退職後は財団法人棟方志功記念館副館長を勤め

       ました。

       プロの版画家でない分、その作品には変な色気がなく、作品から

       は伸び伸びした息吹が感じられます。ことに「碇ヶ関風景」には

       それが如実に感じられます。

企画展 色彩の変化を楽しむ            (平成25年6月)                 色彩の変化を楽しむ

○ 愛 嘔   マウントフジ(リトグラフ)→7色

        青森市内にあった画廊「五拾壱番館」で購入しました。

        凄まじい噴火の迫力あるしきさいをお楽しみください。

○ 棟方志功(青森市出身)

        宇宙頌(織物・青森市立文化会館開館記念品・緞帳のミニチュ

        ア)→緑と黄と青と

        青森市内のアンティークショップで購入しました。あと一歩遅

        かったら他の人に買われるところでした。

○ シバノヤスオ(作者不詳)

        無題(リトグラフ)→赤と黒と青

        青森大学の向かいにあるリサイクルショップで埃矛をかぶって

        いた作品ですが、作品の方から「連れて行ってほしい。」と言

        われている気がして、ただ同然の値で購入しました。

        しかし、作品の迫力は半端じゃない!

○ アンディ・ウォフォール(青森市内で購入)

        キャンベルスープ(ポスター)→赤と青と黒

        青森市内のアンティークショップで見つけました。額縁から取

        り出して、中身を確認してから購入しました。

○ 宇治山哲平 海老(リトグラフ)→7色

        仙台の「白松アート・ホール」で購入しました。その際、「宇

        治山哲平ー絵に遊び、絵に憩う」(東京都庭園美術館発行)と

        いう本をいただきましたが、この本こそ資料価値が高いと言わ

        れました。一緒に展示しています。

○ 小野寺彩子(青森市在住)

        野生(テンペラ画)→青と銀と黒

        青森市内の画廊「五拾壱番館」での個展を見て購入しました。

        若い作家さんで、将来が楽しみです。

○ 大島 龍  無題(木版画)→黒と白

        仙台の「白松アート・ホール」で購入しました。作者について

        は全く知りませんが、小品ながら白黒木版画の味わいが深く、

        一目で気に入りました。

企画展  好きな作家たち(平成25年5月)

 好きな作家の好きな作品を展示しました。

 そんな中にあって、川瀬巴水については少し違和感を感じられる方もおられる

かと思います。

 当初、この作品は展示しませんでした。

 しかし、画竜点睛を欠く感じでやや物足りなく思い、日本の浮世絵の伝統を引

き継ぐ作家の木版画を展示しました。

 すると、びしっと展示室が締まりました。

 そこで、棟方志功の後継者とも言うべき磯見輝夫、棟方と同郷の関野準一郎の

各作品もあわせて展示しました。

 その結果、非常にバランスがとれたように思います。

 つくづく伝統の力に脱帽です。

 

展示作品

  ○ 牧野邦夫  自画像(リトグラフ)

          婦人(リトグラフ)

          腕を組む少女(リトグラフ)

  ○ 河田勉成(宮城県栗原市在住、白鶯窯)

          大壺1点

          つる首1点

          オブジェ2点

  ○ 花見 宴(青森市出身、福島県喜多方市在住)

          風景のある静物(油彩画)

          リンゴとベトナムの置物(油彩画)

          冬の窓辺(晴れた日)(油彩画)

          花とトウモロコシ(油彩画)

  ○ 梅津祐司(秋田県出身)

          月の光の中で 6、7、8、9(各リトグラフ)

  ○ 川瀬巴水  法隆寺・奈良(木版画)

  ○ 村上 透(秋田県出身)

          深秋駒ヶ岳(油彩画)

  ○ 丹野昭典(山形県出身、秋田市在住)

          雪解け(水彩画)

  ○ 磯見輝夫  挽歌(木版画)

  ○ 戸村茂樹(青森県八戸市出身、盛岡市在住)

          夜の星座(銅板画)

  ○ 八重樫理彦(東京都出身、相手券花巻市大迫町在住)

          不連続面の研究009(油彩画)

          不連続面の研究008(油彩画)

  ○ 角掛美咲(盛岡市出身、多摩美術大学生)

          みんなの開拓地(銅板画)

          空から魚が降ってきた(銅板画)